
飼い主なら知っておきたい!ペットが起こした事故の法律上の責任
愛犬との楽しい暮らし。
しかし、もし散歩中に愛犬が興奮して他人を噛んでケガをさせてしまったら、どうなるでしょうか?
「まさかうちの子が…」と思うかもしれませんが、予測不能なのが事故です。
このような場合、飼い主は法的な責任を問われることになります。
日本の民法第718条では、動物が他人に加えた損害について、その動物の占有者(飼い主)が賠償責任を負う、と定められています。
ケガの治療費だけでなく、通院のための交通費、働けなくなった場合の休業補償、精神的苦痛に対する慰謝料など、その賠償額は高額になることも少なくありません。
数百万、場合によっては数千万円もの賠償金を自己負担で支払うことになったら、生活が破綻してしまう可能性も。
そこで重要になるのが、万が一の事態に備える「保険」です。
飼い犬の事故に対応できる!主な保険の種類と特徴
飼い犬が他人にケガをさせた場合に役立つ保険は、主に以下の2つです。
1. 個人賠償責任保険(特約)
これが最も一般的で、ペットの事故以外にも幅広く日常生活の賠償責任をカバーする保険です。
- どんな保険?:
- 自転車に乗っていて通行人にぶつかりケガをさせてしまった
- 子どもがキャッチボールで他人の家の窓ガラスを割ってしまった
- マンションで水漏れを起こし、階下の部屋の家具をダメにしてしまった
- そして、飼い犬が他人を噛んでしまった
- …など、日常生活で他人に与えた損害を広く補償します。
- 加入方法:
- 火災保険や自動車保険、傷害保険などの特約として加入するのが一般的です。クレジットカードに付帯している場合もあります。
- 保険料は年間数千円程度と、比較的安価なのが大きなメリットです。
- ポイント:
- 多くの商品で補償額が無制限または1億円以上に設定されています。高額な賠償請求にも対応でき安心です。
- 被害者との**「示談交渉サービス」**が付帯している商品がほとんどです。精神的な負担が大きい示談交渉を保険会社が代行してくれるため、非常に心強いサービスです。
2. ペット保険のペット賠償責任特約
ペットの病気やケガの治療費を補償する「ペット保険」に、オプションとして追加できる特約です。
- どんな保険?:
- 犬が他人に噛みついてケガをさせた場合の治療費や慰謝料などを補償します。
- ペット保険の主契約(動物病院での治療費補償)に追加する形になります。
- ポイント:
- ペット保険の契約と一緒にできるため、手続きが簡単です。
- ただし、すでに火災保険などで個人賠償責任保険に加入している場合、補償が重複してしまいます。重複加入しても保険金が二重に支払われることはありませんので、すでに別の保険に加入していないか確認しましょう。
失敗しない保険選び!4つのチェックポイント
いざ保険に入ろうと思っても、どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。
飼い犬の事故に備える保険を選ぶ際は、以下の4つのポイントをチェックしましょう。
-
補償額は十分か?
- 損害賠償額は被害の状況によって大きく変動します。万が一に備え、**「無制限」または「1億円以上」**の補償額があるものを選びましょう。
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示談交渉サービスはあるか?
- 被害者との交渉は、賠償額の決定や精神的な負担など、トラブルにつながりやすいものです。保険会社が代わりに交渉してくれる**「示談交渉サービス」**は必須のチェック項目です。
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家族全員が補償対象か?
- 個人賠償責任保険は、契約者だけでなく、同居している家族全員が補償の対象となることが多いです。家族がそれぞれ外出中に事故を起こす可能性も考慮して、補償範囲を確認しましょう。
-
重複契約になっていないか?
- 現在加入している火災保険、自動車保険、クレジットカードの契約内容を一度見直してみましょう。「個人賠償責任特約」が付帯しているか確認することが大切です。
【ここから追加】具体的なおすすめ保険タイプを解説!
どの保険を選べばいいか迷っている方のために、ライフスタイル別におすすめの保険タイプをご紹介します。
おすすめの保険タイプ1:火災保険の「個人賠償責任特約」
持ち家・賃貸問わず、火災保険に加入している方は多いはず。
この火災保険の特約として「個人賠償責任保険」を追加するのが、最も手軽で一般的な方法です。
- こんな人におすすめ:
- すでに火災保険に加入している人
- 家族全員の事故に備えたい人
- 少ない手間で済ませたい人
- メリット:
- 保険料が安い: 年間数百円~数千円程度と非常に安価です。
- 幅広い補償: 火災保険の主契約とは別に、日常生活の事故を幅広くカバーしてくれます。
- 管理が楽: ひとつの契約にまとまっているため、管理がしやすいです。
- 注意点:
- 保険会社や商品によって補償内容が異なるため、必ず特約の内容を確認しましょう。
おすすめの保険タイプ2:自動車保険の「日常賠償責任特約」
自動車保険の特約として「個人賠償責任保険」を付帯できる商品も増えています。
- こんな人におすすめ:
- 車を運転する機会が多い人
- 火災保険を持っていない人
- 保険契約をまとめて管理したい人
- メリット:
- 保険料の割引: 自動車保険の等級によっては、特約の保険料が割引になることがあります。
- 更新時に見直し: 自動車保険の更新時に、一緒に補償内容を見直せるため便利です。
おすすめの保険タイプ3:単独で加入できる「個人賠償責任保険」
もし、上記の火災保険や自動車保険に加入していない、または特約の補償内容に満足できない場合は、単独で加入できる個人賠償責任保険を探してみましょう。
- こんな人におすすめ:
- 火災保険や自動車保険に加入していない人
- クレジットカードの保険内容では不安な人
- よりシンプルな補償内容を求める人
- メリット:
- 保険料が安い: ネット専業保険会社などが提供していることが多く、保険料が非常に安価な傾向にあります。
- シンプルな契約: 日常生活の賠償責任に特化しているため、契約内容が分かりやすいです。
まとめ:愛犬との安心な暮らしのために
飼い犬との暮らしは、日々の幸せと癒しを与えてくれます。
しかし、どんなに愛情を注いでいても、不測の事態は起こりえます。
万が一の賠償責任に備えることは、飼い主としての重要な義務であり、愛犬との生活を守るためにも欠かせないことです。
まずは、現在ご加入の保険内容を確認し、もし個人賠償責任保険に加入していなければ、この機会に検討してみてはいかがでしょうか。
手軽な保険料で、愛犬と飼い主、そして被害者の方、すべてを守ることに繋がります。
ライター紹介 Writer introduction
いずもいぬ
管理人:いずもいぬ(五十代前半) 家 族:子供1人とワンコの4人家族 居住地:大阪の出身で東京生活を踏まえ、現在は山陰で田舎暮らしをしています。 犬の健康管理や躾について、愛犬のラブラドールレトリバーとの経験を交えてご紹介しているホームページになります。