愛犬がおやつを隠す理由とは?心理と対処法をやさしく解説【犬種別の傾向も紹介】

愛犬がおやつを隠す理由とは?心理と対処法をやさしく解説【犬種別の傾向も紹介】
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はじめに:うちの子、なんでおやつを隠すの?

「せっかくおやつをあげたのに、くわえてどこかへ持って行ってしまう」──

そんな行動を見たことはありませんか?

最初は「かわいい♡」と微笑ましくても、毎回となると少し心配になりますよね。

実は、おやつを隠すのは“犬にとって自然な行動”でもあり、そこには犬なりの心理や本能がしっかり隠れています。

この記事では、犬がおやつを隠す理由を犬種別に解説しつつ、日常での対応法やトレーニングのコツまで、やさしくお伝えします。

犬がおやつを隠す理由とは?

本能的な「貯蔵行動」ってなに?

犬の祖先であるオオカミは、獲物を一度に食べずに地面に埋め、あとで食べるために「保存」していました。

この名残が、現代の犬にも“隠す”という行動として残っているのです。

満腹のときにおやつをもらうと、「今は食べないけど、後で食べよう」と自然に感じて、隠す行動をとることがあります。

特に食べ物への執着が強い犬や、食事のリズムが一定でない犬ほど、この行動が出やすい傾向があります。

飼い主への信頼と独立心のバランス

隠す行動は、信頼していないからではなく、むしろ“自立心のあらわれ”でもあります。

「今は落ち着いて食べたい」「あとでゆっくり味わいたい」──犬の中にある“自分のペースを大切にする気持ち”なのです。

飼い主に安心しているからこそ、自分の行動を自由にできるともいえますね。

ストレスや不安が原因の場合も

一方で、環境の変化や不安が原因で隠すこともあります。

たとえば、引っ越しや家族構成の変化、工事などの騒音、知らない来客など。

「安心できる場所にものを置きたい」という心理から、ベッドやソファの下などにおやつを隠してしまうのです。

この場合、安心できる環境づくりが大切になります。

犬種別に見る!隠す行動が多いタイプ

① 柴犬:独立心が強く、マイペースな性格

柴犬は日本犬の中でもとても自立心が強く、プライドを大切にします。
「自分の物は自分で守る」という意識があり、お気に入りのおやつを布団やクッションの下に隠すことが多いです。
無理に取り上げず、そっと見守ってあげることがポイントです。

② ダックスフンド:巣穴を掘る本能の名残

もともとアナグマを追うために作られた犬種で、“掘ること”が得意なダックスフンド。
そのため、毛布やクッションを掘っておやつを隠す行動は自然なものです。
「掘る=安心」という気持ちが強いため、隠す行動を遊びとして楽しんでいることもあります。

③ ジャック・ラッセル・テリア:エネルギッシュで計画的

知能が高く、頭を使う遊びが好きなジャック・ラッセル・テリア。
「あとで食べるために隠す」という行動を“ゲーム感覚”でやっていることがあります。
頭を使わせるトレーニングや知育玩具を与えると、満足度が高まり隠す行動が減る傾向も。

④ ラブラドール・レトリバー:意外と“埋めたい派”も!

社交的で人懐っこいラブラドールですが、食べ物への執着が強い子も多い犬種です。
庭や花壇におやつを埋めるように隠す子も。これは“貯蔵本能”が顔を出しているサイン。
遊びの延長として見守ってOKですが、誤食防止のために場所は注意しましょう。

⑤ トイプードル:お気に入りの場所を決める傾向

プードルは感受性が高く、生活リズムを大切にする犬種。
“ここが自分の安心スポット”という場所におやつを隠すケースが多いです。
普段から落ち着けるスペースを整えてあげると、隠す必要がなくなることもあります。

よくある“隠し方”と行動の背景

  • クッションの下に押し込む:お気に入りの場所に“保管”している
  • ベッドの毛布に包む:柔らかい布地が安心を感じさせる
  • 庭の土を掘って埋める:本能が強く出ているタイプ
  • おもちゃ箱に混ぜる:自分の持ち物に紛れ込ませて安心感を得ている
  • 飼い主の洋服や靴の中:飼い主の匂いで安心しているサイン

おやつを隠す行動の意味を理解しよう

「安心したい」「後で食べたい」という犬の気持ち

犬にとって“隠す”は、将来のための備えでもあり、心を落ち着かせる行為でもあります。

おやつを隠して満足している姿は、「安心したい」「自分のものを守りたい」という自然な気持ちのあらわれです。

多頭飼いの場合に見られる行動心理

他の犬がいる家庭では、競争を避けるためにおやつを隠すことがあります。

この場合、「取り合い」ではなく「平和的な分配」をしているようなもの。

隠すことで仲間との関係を保とうとしているのです。

叱るより観察!行動から読み取るメッセージ

隠しても叱らず、「どうして隠したのかな?」と観察してみましょう。

隠すタイミング・場所・頻度などを見ていくと、犬が何を感じているのかが少しずつ見えてきます。

例えば“家の中で落ち着けない”“ごはんの量が多い”などのサインが隠れているかもしれません。

愛犬とのコミュニケーションを深めるコツ

“おやつ探し”を一緒に楽しむ方法

「隠す」行動を遊びに変えるのもおすすめです。

たとえば、タオルやカップの下におやつを隠して“どこかな?”と一緒に探す「ノーズワークゲーム」。

嗅覚を使う遊びはストレス解消になり、愛犬の満足度もアップします。

褒め方のポイントとタイミング

隠さずに食べたときや、持ってきたときにしっかり褒めてあげましょう。

「ここで食べても安心なんだ」と学ぶことで、隠す必要がないと感じるようになります。

特に“穏やかに声をかける”“笑顔で触れる”などのスキンシップを一緒に行うのが効果的です。

おやつの与え方を工夫して信頼関係を強化

一度にたくさん与えるより、少量をこまめに。

「今もらえる・安心して食べられる」という体験を繰り返すことで、信頼が深まります。

また、おやつの時間を“コミュニケーションの時間”にするのもおすすめです。

おやつを隠す行動への上手な対処法

隠さないようにする環境づくり

犬が安心して食べられるスペースを整えましょう。

人の出入りが少なく、静かで落ち着ける場所を「食べるスペース」として決めておくと良いです。

お気に入りのマットやベッドを置くと、よりリラックスできます。

ストレス発散・運動で解決できるケース

隠す行動の背景に“退屈”がある場合は、運動や遊びを取り入れることで改善します。

1日2回の散歩に加え、ボール遊びやかくれんぼなどを取り入れるのもおすすめです。

満足感が得られると、隠す必要が自然と減っていきます。

トレーニングで改善する具体的ステップ

  1. まずは「持ってきて」と声をかけ、持ってきたらご褒美を与える
  2. 次に「ここに置いて」を教え、指定場所に置いたら褒める
  3. 最終的に「食べていいよ」で安心して食べられるように導く

このステップを繰り返すことで、犬は「取られない」「安心して食べていい」と理解し、隠す行動が減っていきます。

注意したいケースと専門家に相談すべきサイン

食べ物を守って唸る・攻撃的になる場合

「取らないで!」という気持ちから唸る犬もいます。

この場合、無理に取り上げるのはNG。

全な距離をとり、専門のトレーナーや動物行動学の専門家に相談しましょう。

体調不良や食欲変化が見られるとき

食べずに隠すだけでなく、元気がない・食欲が落ちたなどの変化がある場合は、体調面が原因かもしれません。

獣医さんの診察を受けることで、早期発見につながります。

同居動物との関係が影響しているケース

猫や他の犬と一緒に暮らしている場合、取り合いを避けるために隠すことも。

別々のスペースでおやつをあげるなど、環境の工夫も効果的です。

まとめ:愛犬の“隠す”は愛情と本能のあらわれ

犬の行動には必ず理由がある

おやつを隠すのは、いたずらでも反抗でもありません。

犬なりの安心・信頼・自立心が表れた自然な行動です。

行動を受け入れることで信頼が深まる

叱るよりも、理解してあげることが大切。

行動を通して「この子はこう感じているんだな」と知ることが、より深い絆づくりにつながります。

「うちの子らしさ」を理解することが幸せの第一歩

犬の個性を尊重し、行動を通してコミュニケーションを取る。

それこそが、飼い主と愛犬が一緒に幸せに暮らす秘訣です。

おやつを隠す姿も、「うちの子らしさ」としてあたたかく見守ってあげましょう。

ライター紹介 Writer introduction

いずもいぬ

いずもいぬ

管理人:いずもいぬ(五十代前半) 家 族:子供1人とワンコの4人家族 居住地:大阪の出身で東京生活を踏まえ、現在は山陰で田舎暮らしをしています。 犬の健康管理や躾について、愛犬のラブラドールレトリバーとの経験を交えてご紹介しているホームページになります。

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