
お散歩中に、愛犬が他のワンちゃんのお尻のニオイをクンクン…。
「ちょっと恥ずかしい…」「なんでそんなところを嗅ぐの?」と感じたことはありませんか?
でも実は、この行動には犬ならではの深い意味があり、決して“失礼な行為”ではないんです。
犬にとってお尻のニオイを嗅ぐことは、あいさつであり、相手を知るための大切なステップ。
犬の世界では“名刺交換”のようなものだと思うとイメージしやすいかもしれません。
このページでは、犬がお尻のニオイを嗅ぐ理由を、専門家の見解や体験談も交えて、初心者でもわかりやすくやさしい言葉で解説していきます。
愛犬の世界をもっと知って、コミュニケーションを深めていきましょう。
1. 犬がお尻のニオイを嗅ぐ理由とは?まず知っておきたい基礎
犬の嗅覚はどれくらいすごいの?
犬の嗅覚は、人間の数千倍〜数万倍とも言われるほど発達しています。
風に乗って流れてくるわずかな匂いでも、犬にとっては“はっきりとした情報”として受け取れるレベルです。
例えば、私たちには「なんとなく匂うかな?」という程度の匂いでも、犬にとっては「この匂いは〇〇ちゃんだ!」と分かるほど明確な違いがあるのです。
この圧倒的な嗅覚が、犬のコミュニケーションを支えています。
【専門家コメント風】
犬の嗅覚は脳の大部分と直結しており、匂いの分析能力は人間の1万倍とも言われています。
犬は“匂いで世界を理解している”と言っても過言ではありません。
なぜ“お尻”を嗅ぐの?その理由は肛門腺にあり
犬のお尻には肛門腺(こうもんせん)という分泌腺があり、そこから個体特有のニオイが分泌されています。
このニオイには、犬同士が知りたいさまざまな情報が含まれているのです。
肛門腺のニオイには、こんな情報が含まれていると言われています。
- 性別
- 年齢
- 健康状態
- ホルモンバランス
- どんな気分なのか(緊張・落ち着き・興奮など)
- いつ食事をしたか
つまり、犬にとってお尻のニオイとは、相手を理解するための“プロフィール情報”そのもの。
私たちでいうところのSNSのプロフィール閲覧のようなものだと考えると、少しイメージしやすくなりますね。
犬にとっては“とても礼儀正しいあいさつ”
私たちが初対面で名前を聞いたり、「よろしくお願いします」と頭を下げるように、犬はニオイを嗅ぐことで相手にあいさつをしています。
お尻に近づいてクンクンする行動は、犬たちの社会ではとても自然で、ごく普通の礼儀なんです。
犬種や性格による“嗅ぎ方の違い”
・積極的に匂いを嗅ぎにいく子
・ゆっくり距離を縮めて嗅ぐ子
・一瞬だけ確認して終わる子
など、犬種や性格によって“あいさつの仕方”は大きく違います。
【体験談風】
うちの子(トイプードル)は、初めて会う子にはじーっと座って待ちながら相手がお尻を差し出してくれるのを待つタイプ。
友達の柴犬は「初めまして!」と言わんばかりに全力で嗅ぎに行くので、毎回性格の違いに笑ってしまいます。
2. 犬同士のコミュニケーション:ニオイは言葉以上の情報源
ニオイで相手を記憶する犬たち
犬はニオイによって、「この子、前に会ったことある!」と相手を認識します。
人間は顔や声で相手を覚えますが、犬はニオイがその役割を果たしているのです。
健康状態まで分かる驚きの能力
相手のお尻のニオイを嗅ぐことで、健康状態やホルモンの変化を感じ取る犬もいます。
腹痛があったり、ストレスが強かったりすると、分泌されるニオイが少し変わると言われています。
「嗅がれたくない」サインも見逃さないで
こんな行動がある犬は、今は嗅がれたくないサインかもしれません。
- 尻尾を強く巻き込む
- 飼い主の後ろに隠れる
- その場から逃げようとする
- 体を固くする
嗅がれるのが苦手な子もいますので、無理に近づけず、そっと距離を取ってあげましょう。
オスとメスでは興味の持ち方が違うことも
オス犬は特にメスのニオイに興味を示すことが多く、メス犬は慎重に相手を観察してから近づく傾向があると言われています。
3. 人間も理解すべき理由:絆を深め、犬の気持ちを知るために
犬の自然な行動を尊重することの大切さ
私たちから見ると「失礼」「汚そう」と感じる行動でも、犬の世界ではごく普通で、自然なコミュニケーションです。
意味を知っておくことで、頭ごなしに叱らず、犬の気持ちに寄り添うことができます。
犬の“知りたい”気持ちがつまった行動
犬は相手を理解し、安心するためにニオイを嗅ぎます。
「この子はどんな子だろう?」「仲良くできるかな?」という“知りたい気持ち”があらわれているのです。
犬との絆を深めるきっかけに
愛犬の行動の背景を知ることで、「今この子はこう思っているのかも」と気づけるようになります。
そうした小さな理解の積み重ねが、深い信頼関係へとつながります。
4. 犬のお尻を嗅がせる際の注意点とマナー
初対面の犬同士は“まず距離感”が大事
犬同士のあいさつは大切ですが、いきなりお尻同士を近づけるのはNG。
相手の犬がビックリして攻撃的になる場合もあるため、少し距離を取って様子を見ることが大切です。
飼い主同士のコミュニケーションも忘れずに
「匂いを嗅いでも大丈夫ですか?」
「うちの子は少し怖がりで…」
と事前に声をかけることで、トラブルを避けられます。
無理に嗅がせない・嗅ぎに行かせない
怖がって尻尾を巻いている子に無理をさせるのは逆効果。
愛犬の気持ちを尊重し、その場から離れる勇気も必要です。
飼い主の立ち位置とリードの扱いに注意
リードは強く引っ張らず、犬同士が自然に動ける余裕を与えてあげましょう。
ただし、怪しい雰囲気があればすぐに引き離せるように準備しておきます。
5. 健康面でも重要!お尻のニオイ行動で分かるサイン
しつこくお尻ばかり気にする場合は注意
愛犬が自分のお尻を何度もなめたり、床にこすりつけたりする場合、肛門腺にたまった分泌物が不快になっている可能性があります。
肛門腺トラブルのサイン
- お尻を床にこすりつける(いわゆる“お尻歩き”)
- お尻を気にして何度もなめる
- いつもより強いニオイがする
- お尻周りが腫れている
気になる場合は、動物病院やトリマーさんに相談してみましょう。
お尻周りのお手入れは健康のためにも大切
においの元となる肛門腺は、定期的にケアをすることでトラブルを防ぐことができます。
トリミングのついでにお願いするほか、動物病院でチェックしてもらうことも可能です。
6. まとめ:犬の自然な行動を知ることが、優しさにつながる
お尻のニオイを嗅ぐ行動は犬にとって“あいさつ”
私たちには少し不思議に見える行動も、犬にとってはごく普通で、相手を理解するための大切なコミュニケーション。
この行動には、犬同士の平和的な交流がつまっています。
犬の気持ちを理解すると、愛犬との距離が縮まる
犬の行動には必ず理由があります。
その意味を知ることで、より優しい接し方ができるようになり、愛犬も安心して過ごせるようになります。
安心・安全を守りながら、犬同士のコミュニケーションを見守ろう
犬の自然なあいさつを尊重しつつ、飼い主として安全を守ることも忘れずに。
無理に嗅がせたり近づけたりせず、お互いのペースを大切にしてあげましょう。
ライター紹介 Writer introduction
いずもいぬ
管理人:いずもいぬ(五十代前半) 家 族:子供1人とワンコの4人家族 居住地:大阪の出身で東京生活を踏まえ、現在は山陰で田舎暮らしをしています。 犬の健康管理や躾について、愛犬のラブラドールレトリバーとの経験を交えてご紹介しているホームページになります。
-
犬がテレビを見る理由とは?心理を紐解く5つのポイント
記事がありません