
「可愛いから、つい甘やかしちゃう…」という気持ちは、どんな飼い主さんにもあるもの。
でもその優しさが、時に愛犬を困らせてしまうことも。
この記事では、甘やかしすぎのサインと、愛情を上手に伝える方法をわかりやすく紹介します。
はじめに:愛情と甘やかしは紙一重?
「可愛いからつい…」その気持ちがトラブルの始まり
愛犬がかわいくて、ついおやつを多くあげたり、抱っこばかりしてしまう…。
そんな日常の“愛情表現”が、実は犬にとっては「世界が自分中心に回っている」と感じさせてしまうことがあります。
すると、飼い主さんの姿が見えないだけで不安になったり、わがままな行動を取ったりすることも。
甘やかすこと=悪いことではない理由
実は「甘やかす=ダメ」ではありません。大切なのは、ルールの中で愛情を伝えることです。
叱られるよりも褒められることで犬は学び、心が安定します。
正しく甘やかせば、犬に安心感と自信を育てることができます。
💬 専門家のコメント:「“愛情のバランス”が取れている犬ほど、穏やかで落ち着いた行動を見せます。甘やかしではなく、“信頼関係の育成”と考えるのが大切です。」(ドッグトレーナー・Mさん)
この記事でわかること(飼い主が気づく3つの視点)
- 「甘やかし」と「しつけ」の違いがわかる
- 甘やかしすぎで起こる行動・健康・社会性の変化
- 愛情を伝えつつ、信頼を深める方法
犬を甘やかすとは?基本の考え方を整理しよう
犬が安心できる「やさしい甘やかし」とは
犬にとっての“いい甘やかし”とは、安心感を与えるスキンシップや、静かな声で褒める時間のこと。
たとえば、落ち着いているときにそっと撫でる、寝る前に「いい子だね」と声をかけるなど。
「甘えさせる=安心を与える時間」と考えると、ぐっと良い方向に変わります。
しつけとの違い:境界線をはっきりさせる
しつけは「犬が社会で安全に暮らすための教育」、甘やかしは「心の充電」。
この2つを混同してしまうと、犬が混乱してしまいます。
たとえば、テーブルの上の食べ物を欲しがったときに“ついあげてしまう”のは、犬の中でルールがあいまいになり、結果的に要求吠えが増える原因になります。
甘やかされすぎているサイン
- 少し離れるとすぐ不安そうに鳴く
- 食事を選り好みして食べない
- 飼い主が動くたびについて回る
- 他の人や犬に興味を示さない
こうした行動が見られたら、少しずつ「自立の練習」を取り入れてあげると良いサインです。
犬を甘やかしすぎると起こる3つの変化
① 行動面への影響:わがまま・依存・要求吠え
過剰な甘やかしは、犬の「我慢する力」を育てるチャンスを奪ってしまいます。
吠えればおやつがもらえる、鳴けば抱っこしてもらえると学習すると、要求行動がエスカレート。結果、飼い主が不在のときに強いストレスを感じやすくなります。
🐾 体験談:「うちの子は留守番のたびに鳴いて困っていました。でも、“行ってきます”と落ち着いた声をかける習慣をつけたら、今では静かに見送ってくれるように。」(40代女性/トイプードル飼い主)
② 健康への影響:肥満や運動不足に注意
おやつをつい与えすぎると、肥満・関節の負担・内臓疾患などのリスクが高まります。
「可愛いからもうひとつ」は、犬の健康を守る上で要注意です。
食べ物よりも、「褒められる・撫でられる」ことの方が、犬にとって大きなご褒美になる場合もあります。
③ 社会性への影響:他の犬や人との関係が苦手に
常に飼い主だけと過ごしていると、他の犬や人と接することに不安を感じるようになります。
特に、子犬期に過度な甘やかしが続くと、成犬になってから社会性を身につけにくくなる傾向があります。
愛犬を“正しく甘やかす”方法
1. 甘やかす=信頼を深める時間に変える
甘やかしは悪いことではなく、信頼の合図です。
膝の上でリラックスする時間、やさしく声をかける時間を設けることで、犬は「この人といると安心」と感じます。
ただし、興奮しているときではなく、落ち着いているタイミングで行うのがポイントです。
2. ルールを守ったうえでのご褒美を
ご褒美は“できた瞬間”に与えることが大切です。
「おすわり」「まて」が成功したときに褒めることで、犬は“何が正解か”を自然に理解します。
3. 叱る前に“環境を整える”
イタズラや無駄吠えは、叱るよりも「起こらない環境づくり」で防ぐのが理想です。
例えば、拾い食い対策なら床に物を置かない・届かない高さにするなど。
飼い主が先に工夫することで、犬は安心して学べるようになります。
甘やかしすぎを防ぐためのチェックポイント
① 「かわいそう」ではなく「育てる」目線を持つ
「叱るのはかわいそう…」と思う優しさは素敵ですが、しつけは“将来の安心”を守るための行為です。
一時の甘やかしより、長く安心して暮らせる環境を優先してあげましょう。
② 感情ではなく習慣で愛情を伝える
愛情を表す方法は、特別なことではなく「毎日の繰り返し」の中にあります。
朝の声かけ、散歩、ブラッシング——これらの習慣こそ、犬にとっての安心の証です。
③ 自立心を育てる時間をつくる
留守番やひとり遊びは、最初は短時間からでOK。
「飼い主がいなくても大丈夫」という経験を積むことで、犬の心は強くなります。
実例で学ぶ!甘やかしが原因の行動トラブル
ケース①:おやつをもらうまで吠え続ける
原因:吠えることで“要求が通る”成功体験が積み重なっているため。
対策:吠えている間は反応せず、静かにできた瞬間に褒めること。
「静かにできる=構ってもらえる」という流れを覚えさせます。
ケース②:留守番ができない(常にべったり)
原因:常に一緒に行動していた結果、飼い主への依存が強化。
対策:外出前に「行ってきます」と声をかけ、帰宅後も興奮を落ち着かせてからスキンシップを。
「離れても、必ず戻ってくる」という安心を教えていきましょう。
愛犬との“ちょうどいい距離感”をつくるコツ
ルールを「優しく一貫して」守る
家族全員で同じルールを共有することで、犬は混乱せず安心できます。
「今日はいいけど、明日はダメ」が続くと、犬の中で基準がなくなってしまいます。
感情的に叱らず、淡々と伝える
怒鳴るよりも、短い言葉で落ち着いて伝える方が効果的です。
たとえば「ダメ!」の一言を低めの声で静かに。感情ではなく“伝える”意識を。
甘える時間・学ぶ時間をバランスよく
甘やかす時間(スキンシップ)と学ぶ時間(しつけ)を交互に取り入れると、犬の心が安定しやすくなります。
適度な緊張と安心がある生活が、穏やかな犬を育てます。
まとめ:甘やかすことは悪くない、でも“正しく”が大切
甘やかしすぎは、犬を不安定にすることもありますが、正しく使えば最強の愛情表現になります。
犬にとっての幸せとは、“飼い主と心が通じること”。
そのためには「優しさ+ルール」の両立が欠かせません。
今日からできる3つの行動
- 感情で動かず、習慣で愛情を伝える
- ルールの中で思いっきり甘やかす
- 犬の「自立と安心」を両立させる
あなたの優しさは、愛犬にとって最大の安心です。
今日から“正しい甘やかし”を実践して、もっと笑顔あふれる日々を過ごしましょう。
ライター紹介 Writer introduction
いずもいぬ
管理人:いずもいぬ(五十代前半) 家 族:子供1人とワンコの4人家族 居住地:大阪の出身で東京生活を踏まえ、現在は山陰で田舎暮らしをしています。 犬の健康管理や躾について、愛犬のラブラドールレトリバーとの経験を交えてご紹介しているホームページになります。
-
あなたの愛犬も持っている?犬の『不思議な感覚』6選
記事がありません