「頭のいい犬」は飼いやすい?共働き夫婦が選ぶべき「賢いパートナー」の正解

「頭のいい犬」は飼いやすい?共働き夫婦が選ぶべき「賢いパートナー」の正解
この記事の著者:ドッグトレーナー・山本 恵子
家庭犬しつけインストラクター。延べ3,000組以上の飼い主と犬の指導経験を持つ。「賢い犬ほど飼い主を試す」という持論のもと、初心者向けのパピー教室や問題行動の修正に力を入れている。

「初めて犬を飼うし、共働きで留守番も多いから、なるべく手のかからない賢い子がイイな」
そう思って、「犬 頭がいい ランキング」で検索していませんか?

ランキング1位のボーダーコリーや、警察犬でおなじみのシェパード。

彼らは確かに天才的に賢いです。

でも、ドッグトレーナーとして断言します。

ランキング上位の犬ほど、初心者には「飼いにくい」可能性が高いのです。

「えっ、頭がいいのに?」と驚かれるかもしれません。

実は、「賢さ」には種類があり、家庭犬に求められる賢さと、ランキングで評価される賢さは別物なのです。

この記事では、単なるIQ競争ではなく、共働き・マンションという「現代のライフスタイル」に合った、本当に飼いやすい賢い犬種を厳選してご紹介します。

「賢い=楽」という誤解を解き、あなたにとって最高のパートナーを見つけましょう。


衝撃の事実!「頭のいい犬ランキング」1位が初心者に向かない理由

まず、多くの人が参考にする「犬の知能ランキング」の正体についてお話しします。

これは、心理学者スタンレー・コレン博士の研究に基づくもので、主に「新しいコマンド(指示)を何回で覚えるか」という「服従知能」を測定したものです。

ランキング上位は「仕事中毒」の天才たち

1位のボーダーコリーや2位のプードルは、元々牧羊犬や猟犬として活躍していた「作業犬」です。

彼らは、人間の複雑な指示を瞬時に理解し、実行する能力に長けています。

しかし、この能力の高さは、家庭犬としては諸刃の剣になります。

彼らは常に「仕事(タスク)」を求めています。

十分な運動や知的刺激(トレーニングなど)を与えられないと、その有り余るエネルギーと知能を、「破壊行動」や「脱走」、「神経質な吠え」といった問題行動に向けてしまうのです。

初心者が「指示待ち」の天才を飼うのは、免許取り立てでF1カーに乗るようなもの。

コントロールできずに振り回されてしまうのがオチです。


共働き・マンション派に捧ぐ!現実的に飼いやすい「賢い犬種」ベスト3

では、共働きでマンション暮らしのあなたには、どんな犬が合っているのでしょうか?

必要なのは、コマンドを覚える速さ(服従知能)よりも、「状況を察して待てる適応力(適応知能)」「情緒の安定」です。

この基準で選んだ、現実的に飼いやすいベスト3をご紹介します。

📊 比較表
共働き・マンション派におすすめ!賢い犬種ベスト3

犬種 賢さ(学習能力) 運動量 留守番耐性 抜け毛 おすすめポイント
1. トイプードル ◎ (No.2) △ (寂しがり) ◎ (ほぼ無し) 賢さと飼いやすさのバランスが最強。抜け毛も少なくマンション向き。
2. パピヨン ◎ (No.8) △ (換毛あり) 小型犬トップクラスの知能。状況判断が得意で、自立心もある。
3. キャバリア ◯ (中程度) △ (少なめ) ◎ (高い) △ (換毛あり) 「空気を読む力」が天才的。攻撃性が低く、平和主義でトラブル知らず。

1. トイプードル:賢さと飼いやすさのハイブリッド

ランキング2位の賢さを持ちながら、愛玩犬としての歴史が長く、人との協調性が抜群です。

トイレやコマンドもすぐに覚えます。

ただし、甘えん坊で分離不安(留守番中のパニック)になりやすい傾向があるため、子犬の頃からの「留守番トレーニング」が必須です。

2. パピヨン:状況判断ができる小さな天才

小型犬の中ではトップクラスの知能を持ちます。

飼い主の顔色や状況を観察する能力に長けており、「今は遊べないんだな」と察して一人遊びができる子も多いです。

ただし、警戒心が強いため、チャイムの音などに反応して吠えないよう、社会化トレーニングが重要です。

3. キャバリア:IQを超越した「性格の良さ」

IQランキングでは中位ですが、家庭犬としての「適応知能」は最強レベルです。

非常にフレンドリーで攻撃性が低く、無駄吠えも少ない傾向にあります。

「コマンドを覚えるのは早すぎないけれど、そもそも困ったことをしない」という、究極の飼いやすさを持っています。


「賢さ」は諸刃の剣。頭のいい犬が起こす「知能犯」なイタズラ

「賢い犬なら、イタズラもしないはず」と思っていませんか?

残念ながら、それは逆です。

頭が良いからこそ、高度なイタズラをするのです。

私が相談を受けた事例を紹介しましょう。

  • 飼い主を試す: 「この人は怒らない(リーダーではない)」と見抜くと、指示を無視したり、わざとトイレを失敗して気を引こうとしたりします。
  • 脱走のプロ: サークルの鍵の開け方を観察して覚え、留守中に脱走して部屋中を荒らす。
  • 仮病を使う: 「足を痛そうにしたらオヤツがもらえた」と学習し、仮病を使って要求を通そうとする。

賢い犬を飼うということは、こうした「知恵比べ」に勝たなければならないということです。

飼い主にも、彼らを上回る賢さとリーダーシップが求められます。


しつけが楽になる!賢い犬との「知恵比べ」に勝つ3つの鉄則

最後に、賢い犬と良好な関係を築くための、飼い主の心構えと具体的なアクションをお伝えします。

1. 一貫性を持つ(ルールをコロコロ変えない)

賢い犬は、矛盾をすぐに見抜きます。

「昨日は良かったのに今日はダメ」という態度は、犬を混乱させるだけでなく、飼い主への不信感に繋がります。

家族全員でルールを統一しましょう。

2. 頭を使わせる遊びを取り入れる

彼らにとって、ただ歩くだけの散歩は退屈です。

留守番中や雨の日には、「知育玩具(コングなど)」におやつを詰めて与えたり、部屋の中で「宝探しゲーム」をさせたりして、脳を疲れさせてあげましょう。

知的欲求が満たされれば、イタズラは激減します。

3. 留守番は「待機任務」と教える

出かける時に「ごめんね、可哀想に」と悲壮感を漂わせるのはNGです。

犬は「留守番=悪いこと」と学習してしまいます。

「ハウスで待つのが君の仕事(任務)だよ」という毅然とした態度で接し、帰宅後は大げさに褒めずに淡々と過ごすことで、留守番を日常の一部として受け入れさせましょう。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 最初の1週間が勝負です。

なぜなら、賢い犬は家に迎えた初日から「誰がリーダーか」「ここのルールは何か」を観察しているからです。可愛さのあまり甘やかしすぎると、あっという間に主導権を握られてしまいます。愛情と規律のバランスを意識して、頼れるリーダーになってあげてくださいね。


まとめ:最高のパートナーは「IQ」ではなく「相性」で決まる

「頭のいい犬」への憧れは素晴らしいですが、それがあなたの生活を苦しめてしまっては本末転倒です。

IQランキングの順位にこだわる必要はありません。

  • 抜け毛が気になるならトイプードル。
  • 自立心を求めるならパピヨン。
  • 穏やかな癒やしが欲しいならキャバリア。

自分たちのライフスタイルに合った犬種を選べば、無理なくしつけができ、必ず幸せな関係が築けます。

まずはブリーダーサイトなどで、この3犬種の性格や特徴をチェックしてみませんか?

あなたの生活にフィットする「賢いパートナー」が、きっと待っていますよ。


参考文献リスト

ライター紹介 Writer introduction

いずもいぬ

いずもいぬ

管理人:いずもいぬ(五十代前半) 家 族:子供1人とワンコの4人家族 居住地:大阪の出身で東京生活を踏まえ、現在は山陰で田舎暮らしをしています。 犬の健康管理や躾について、愛犬のラブラドールレトリバーとの経験を交えてご紹介しているホームページになります。

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